Amuse Plus
Episode0: Interview

アミュモバへの登場は約10年弱ぶりとなる橋本淳
まずは今年出演した舞台やプライベートについてなど近況を直撃インタビュー!
さらに2017年1月からスタートするアミュモバの新企画についても話を聞いていきたいと思います。



■数々の注目作品に出演中ですが、今年出演した作品に関して印象に残っている作品は何でしょうか?

舞台は今年5本出演させていただきました。
どの作品が一番かとかって…なかなか比べられないんですけどね。
その中でも一番印象に残っているのは、『クレシダ』という舞台です。
僕は今29歳で、年齢も含めて今の僕自身と役がリンクすることが多く、とても心に残っている作品です。
そして、主演が平幹二朗さんだったんですけれども…先日残念ながらお亡くなりになってしまって。
ふと今振り返ると(平さんとご一緒できたという意味でも)『クレシダ』という舞台に出演できて良かったな…と感じています。

■役柄的には印象に残っているものはありますか?
演じるのが大変だった、などのエピソードがあれば教えてください。

全部大変でした(笑)。
今ちょうど『キネマと恋人』っていう作品をやっているんですが(インタビューは11月下旬)、複数の役を演じるので、1つの役を練るのとはまた違う大変さがあります。
1つの役を掘り下げて深めていくという作業が7役あればそれが7倍になってしまうので…。
それぞれの役が希薄になってしまわないように、考えるのも7倍になるので、精神的に大変でした。

■一つの作品を作る過程で一番大変なのはどの時期でしょうか?

人によると思うんですけど、僕は稽古が始まる前の期間が大変です。
稽古が始まる前は一人で台本を読んで考えるので、「果たしてこの妄想であっているのか?」と思うこともあります。
役柄について勝手に考える時間はすごく楽しい部分もありつつ、やりすぎてしまうと稽古に入って邪魔になってしまう場合もあるので…。
どこまで考えて準備をしようか、というバランスが大変なんです。
そしてその後に皆さんと実際に稽古をしてその大変さが落ち着いてきて、本番始まる前の一週間がまた大変になってきます。
通し稽古などで役の「アジャスト」をし始める時期なので、演出家の考えをもらって、自分がやってきたものをちょっとずつミリ単位で調整していくその時期がまた大変なんですよね。

■舞台に出演する上で、「稽古が始まる前の役作りのタイミングが大変だ」ということでしたが、普段はどのように役作りをされているんでしょうか?
例えば、『キネマと恋人』はどのように役作りをされましたか?

『キネマと恋人』に関しては、台本よりも先に、まず時代設定を聞いていました。
1930年代の映画のストーリーということだったので、情報として当時流行っていた映画などの情報を仕入れたりとか、僕は当時の役者の役なので、昭和のスターに関する本を読んだりとか…前勉強として、どういう時代だったのかな?ということを事前に学んでおきました。

■今までの出演作品を振り返ると、かなりの役を演じられていると思います。
その中で、こういう役を演じるのが得意だ・苦手だ、というのは自分の中でありますか?

自分の中では、あんまりないですね。
昔得意だなと思った役でも、今できなかったりもします。
その時の自分の状態にわりと近い役だったら、演じやすいですかね。
5年前に自分が演じた役を今もう一度やって、と言われても、同じようには演じられないと思いますし。
僕の考えや感性も年齢や経験によって変わっていくと思うので、そういう所が難しさでもあります。
でも、僕自身で得意な役とか苦手な役とかはあんまりわからないですね。
殺人鬼でもなんでもやりますから(笑)。

■今やってみたい役はありますか?

人から「橋本くんにこの役をやってもらいたい」って言われた役を演じたいですね。
自分の願望だけだと、ヘビーな役とか気持ち悪い役をやりたいとか、偏ってしまってつまらなくなってしまいそうなので…。
自分で選り好みをするよりも「この役どうですか?」と言っていただけた役に食いついていく感じで生きています(笑)!

■自分が舞台を観る側だった時、つい気になってしまうことや役などはありますか?

舞台に関しては、僕にとっては「笑い」の部分が要素として大きいです。
シリアスな舞台も普通にやればそのまま進んでいくんですけど、そこでお客さんにどうチャーミングさを売っていくのかとか、この台本でこう笑わせられるんだとか、芝居ってそういうセンスが要求されるものなので…。
おどけて笑いを取るのとはまた違って、役の設定とか状態で笑わせてくれる役者さんっていうのはすごいなと思います。
出てきて1分で笑わせられる先輩って、やっぱりいるんですよ。
そうするとお客さんもホッとして、その役の心情で観られたりするものなので「あぁ~うまいなぁ~」と思うんですよね。
空間を支配される役者さんというのは本当にすごいと思うし、そういうセンスを持っている人が気になります。

■具体的にこの人がすごいな、という役者さんはいますか?

沢山いらっしゃいますね!
生瀬勝久さんや阿部サダヲさん、池田成志さんなど、40代・50代の役者さんは叩き上げで上がってきた方ばかりなので、そういう部分では特化されているなと思いますし、尊敬しています。

■アミューズの俳優で親交の深いアーティストや後輩は誰かいますか?

劇団プレステージの今井隆文、平埜生成あたりがお互いに舞台を観に行ったりしあっていますね。
あと、ここで名前を出さないと本人に怒られるので、水田航生(笑)。
インタビューとかで生成の名前を出した時は今井と航生に「なんで俺を出さないんだ」って言われるし、航生の名前を出した時は今井と生成から言われて(笑)。
まだ今井の名前は一回も出していないから、ずーっと言われる、「俺じゃないの?」って(笑)。
だから、今回は3人の名前を書いておいてください(笑)。
最近すごく慕ってくれています。
今までは自分が“後輩”として色んな場に入っていたから、下の子たちとの交流があまりなかったかもしれないです。
後輩たちとの付き合い方がよくわからなくって、ちょっと気恥ずかしいところもありますね(笑)。
今井とかは同年代なのでわりとフランクに話しているし、たまに喧嘩もします(笑)。
航生や生成なんかは後輩・弟くんたち、って感じです。
才能を持っている後輩たちなので、いい刺激をもらっている関係性ですね。

■今年の「HANDSOME FESTIVAL 2016」出演者で交流している人はいますか?

航生くらいかな~。
(アミュモバスタッフ「水田さんとはどんな話をしているんですか?」)
お仕事相談とか…あとは、仕事以外のプライベートな相談とかもされたりしますよ。
あとは他愛もない話が多いですかね。

「ホンシェルジュ」の連載がスタートし、アミュモバでも何か「書く」お仕事をお願いしたいとマネージャーさんを通じて相談したところ、 「空想上の人物になりきって”想像(創造)記事”を書くのはどうか?」とアイディアを出してくれました。
この企画が生まれた経緯や理由などを聞かせてください。

一度アミュモバ用にゆる~いコラムを書いてみたんですけど…
マネージャーから「もっと文章を書き足してください!」って戻ってきたんですよね(笑)。
で、どう書き直そうかなと考えてみた時に、「別人格になって想像した記事を書くとかってどうですかね?」と話してみたら、 『それ面白い!』ってマネージャーも想像だけで綴る妄想記事に食いついてきました。
色んな仕事をしている人になりきって、前置きなく突然文章で妄想が始まったら「こいつ何やってんだ?!」って思われるだろうから、その突拍子もない感じが面白いかな~って。
僕の思いつきのアイディアを話してみたら、スタッフさんが動いてくださって、実現した次第でございます。
(…悪ふざけに乗ってくださったのかな、スタッフの皆さんが(笑)。)

■今回の企画は「職業」をテーマに書いていただくのですが、今まで舞台で演じてきた中で一番面白いなと思った職業、気になる職業、自分もやってみたい職業はありますか?

どの職業も皆楽しいですね。
僕は就職をした経験がないので、普通にスーツを着るだけでも楽しいです。
刑事、医者、検察官、詐欺師、高校生、プータロー、ライブハウスのバイトくん、美容師…今まで色々な職業を演じてきましたが、やっぱり専門的な職業が面白いですね。
美容師だったらハサミの持ち方やこう切るとか、その動作はプロはしないだとか、ずっとその仕事をやり続けている人の細かい仕草を勉強して演じるのがすごく楽しいです。
医者の歩き方とか…本物を見ていると違うんです。
(アミュモバスタッフ「歩き方も違ってくるんですか?」)
違います!堂々と歩くのか、ちょっと静かめに歩くのか、あとは歩幅とか…
そういうものが変わってくるんです。プロに聞くとそれぞれ面白いな、と思いますね。

■俳優をしていなかったら何をしていたと思いますか?

僕、法律関係だと思いますね(即答)。
(アミュモバスタッフ「ほ、法律関係ですか…?」
橋本「すいません、広げづらくって(笑)」
マネージャー「今、時が止まりましたよ(笑)」
アミュモバスタッフ「いや、本気ですか?ギャグですか!?どっちかなと思って(笑)」)

本気ですよ(笑)!!
僕、大学受験は指定校推薦を狙っていたので、高校時代は皆勤賞で成績もずっとトップだったんです。
それで、僕は高校生の途中でアミューズに入ったんですけど、最初は「大学に入ってから仕事をしよう」って話をしていたんです。
でも、オーディションを1本受けてみたらありがたいことに受かってお仕事が決まり、 どんどん出席日数が足りなくなって指定校推薦はダメになってしまったんです。
それがなければ、指定校推薦で大学に入って法学部に行こうとしていました。
完全にドラマ『HERO』の影響で、検察官になりたくて勉強もし始めていたんですよ。
だから、もし役者をしていなければ、行政書士か検察官か…間違いなくそういう法律関係の方向に進んでいました。
幼稚園の時は、何かの運転手さんとかです。「運転手フェチ」だったので。
電車とかトラックとかパトカーの運転手になりたくて…
パトカーの運転手ってそれ警察官やんって話なんですけど(笑)。
子どもから見て、初めて目にするわかりやすい職業って、“制服を着て何かを運転している人”だったんでしょうね。
…これで話が少しは広がりましたでしょうか(笑)?

■どんな職業の人を「すごいな」と思いますか?

サラリーマンです。
同じ会社に電車で定時に行って帰ってくる、みたいな。
僕らの業界はわりと自由気ままじゃないですか、服とか髪型もそうですけど。
やりたくないと思う仕事やあんまり会いたくない人とかってきっと沢山あるだろうけど、そんな中で同じ場所に40年くらい勤め続けるっていうのは、それだけで尊敬できることだと思います。
なかなか真似できないことです。
…でも、仕事ってどんな職業でも本当に面白いし素晴らしいですよね。
どんな仕事であれ、働くっていうことは素晴らしいことだと思います。
小さなバイトとかでも本当にすごいなって思いますし、人柄が出ると思います。
ティッシュ配りの方とよく見ちゃいます、あの仕事も本当に人となりが出ると思います。
なんか、人生が垣間見えるんです。
上手い人って、何故だか受け取っちゃうじゃないですか。
なんか押しつけがましくないんです。
あれは視野が広くないと出来ない仕事なんで、本当にすごいなと思います。
いやぁ、本当に職業って人柄が出て面白いと思いますよ。


橋本淳の新企画「諧謔的見地」は1/14(土)スタート予定!
どうぞお楽しみに。




橋本淳
「君が人生の時」チケット先行ページ
※受付期間※2016/12/27(火)12:00 ~ 2017/01/06(金)23:59